ミニマリストの先駆けスティーブ・ジョブズは“禅の精神”で世界を魅了させた
スティーブ・ジョブズ、マーク・ザッカーバーグ、ビルゲイツとITの神様みたいな方々が皆さんは「ミニマリスト」です。
スティーブ・ジョブズの代表的なファッションである、いつも同じ黒タートルにジーンズ、靴はスニーカーというスタイルは彼の仕事着です。
究極の「時短ファッション」は作業着としたノームコア
無駄な物を多く持たずに、一着または数着の服を「制服化」しているのは、アメリカのジーンズスタイルが作業着であることから始まっています。
成功者が着ているものは、オシャレと勘違いしていませんか?
その奥を考えず、街では「ノームコアファッション」をよくみかけます。
彼らのようなミニマリストのファッションは余計なことを考えない「時短ファッション」なのです。
彼らは家族旅行に行く時…ホテルで食事をする時…TPOに合わせたオシャレをしています。
ミニマリストだからと言ってルールが重んじられる場所で、Tシャツに敗れたジーンズで行くほど、非常識ではありません。
同じようなシャツを30枚も持っているビルゲイツの話も有名です。
彼らは確かに物に無頓着というか、依存がありません。
なぜなら、それ以上の魅力あるモノを知っているからです。
それは「自分のするべきこと。生きる道」です。
そのミニマリストの真髄を知ることなく、成功者のある一側面だけを取り出して、「ノームコアファッション」が走り出してしまいました。
スティーブ・ジョブズやマーク・ザッカーバーグ、ビルゲイツのような「世界の成功者みたいなミニマリストになりたい」と思っている人は多いのですね。
<画像:GQ-スティーブ・ジョブズ>
スティーブ・ジョブズの商品開発は“禅”からはじまっている
スティーブ・ジョブズの生き方は、商品そのものを表しています。
商品開発で社員が提示したスマホを水槽に入れ、空気の泡を見てスティーブ・ジョブズはダメ出しをした話は有名ですね。
空気が出るということは、「空気がある隙間がある=無駄がある」という理由でした。
無駄を徹底的に削ぎ落とすということです。
このように、無駄をなくし、ジョブズが生涯に渡り追い求めたものは、シンプルから生まれる“悟り”です。
禅僧(僧侶:乙川弘文氏)から「悟りを開くには禅の精神であるシンプルであることが大事」という教えを徹底的に実行したことで、彼は心から純粋に“禅”と向き合って生きてきたのでしょう。
ジョブズ、ザッカーバーグ、ビルゲイツが簡易である理由
毎朝どの服を着ようか悩んだり考えたりする時間がもったいない。
その毎朝の小さな決断でも、脳の負担になって判断力が落ちる。
脳の負荷軽減をするため。
そんな風に「何かに打ち込む生き方」から、彼らはミニマリストと言われるようになったのです。
その考えは、シンプルから生まれる“悟り”の追求の沿線上のことなのですね。
彼らのように濃く生きていく究極の「時短」です。
私は過去記事「心の余白を大切に!類は友を呼び、豊かな心とシンプルな暮らしで幸運を呼ぶ!」で、破綻する人の傾向はほとんど同じ「乱雑」で、良識あるお金持ちに不快感がないのは「人としての成り」が、より完成形だからなのかもしれません。…と綴っていますが、今回の記事内容は類似していますね。
日本はミニマリストな感性を持った国
世界的なミニマリストデザイナーは伝統的な日本のデザインに影響されています。
伝統的な日本のデザインの中にある、必要なものだけを追加し残りは取り除く技術は、日本の建築やインテリアで感じ取られるように、シンプルなデザインと色・形・曲線で感じ取れると思います。
日本のミニマムな生活は、“禅”の精神論から生まれるものとして、とても受け入れやすい環境だと言えるでしょう。
「ノームコア」とはニューヨーク発の言葉ですが、ノームコアの原点はスティーブジョブズのファッションで広がり、日本ではノームコアファッションを自然に受け入れられ、東日本大震災による精神的な価値観の無情と、かねてから不景気だった日本の国の不況を実感した国民が消費活動を控えるようになった頃、「ミニマリスト」「モノを持たない暮らし」にスポットが当たるようになりました。
ファッションにおけるノームコアの流行には、震災・国の不況の背景から、雑誌などのニュースソース影響により「多くのお金を稼ぐことよりも、少ない収入でも幸せに暮らす」というライフスタイルに価値を見いだし始めるようにしました。
勘違いミニマリストについて雑誌の「ESSE」のonlineで勘違いミニマリスト3つのことが記事になっています。
ミニマリストな私がミニマリストをすすめない3つの理由<整えアドバイザー阪口ゆうこ>
私が断捨離について過去記事で「断捨離ブームで思う!相手のものを勝手に捨てて離婚に?親は子供軸を失っていい? 」を綴った人たちのように、悲劇的な人生ににならないように…
自称ミニマリストの方が、我家に遊びに来た時に、脱いだ靴がバラバラな方がいました。
禅では「脚下照顧(きゃっかしょうこ)」という言葉があって、自分の足元をよくみなさい!ということなのですが、自分の足元が見えていない人は、自分自身が見えていない…ひいては、人生の行き先も見えていない…と言われています。
小さいことかもしれませんが、生き方に大きく影響しています。
そして仕事のデスクの上は、自分の仕事への心を映し出す鏡です。
溢れるモノの中だと、常に清々しい心が保てないのが人の心理です。
試験前や仕事で追い詰められているとき、急に机を片付けたくなりませんか?
「何かに打ち込む」には、リセットしてシンプルにする心理が自然に働きます。
私は“禅”の静かに考える流れる思考の沿線上に、ミニマムな生活をしている「真のミニマリスト」がいるのだと思っています。
世界共通語「MOTTAINAI(もったいない)」から真のミニマムな生活へ
そして、ミニマリストではあっても、スティーブ・ジョブズをはじめとして、多くの人たちの関心は、環境問題でもあります。
環境を守る世界共通語として「MOTTAINAI(もったいない)」という言葉が注目を浴びたことは、ご存知だと思います。
環境分野で初のノーベル平和賞を受賞したケニア出身のワンガリ・マータイさんが「MOTTAINAI(もったいない)」に感銘を受け、地球環境に負担をかけないライフスタイルを通して、持続可能な循環型社会の構築を目指す活動として「MOTTAINAIキャンペーン」がスタートしました。
「MOTTAINAI(もったいない)」も日本の感性が生かされています。
語源
もったいない(勿体無い)とは、仏教用語の「物体(もったい)」を否定する語で、物の本来あるべき姿がなくなるのを惜しみ、嘆く気持ちを表している。
現在では一般的に「物の価値を十分に生かしきれておらず無駄になっている」状態
「MOTTAINAIキャンペーン」は何でも捨てないで!と言っているわけではありません。環境 3R + Respect = もったいない
Reduce(ゴミ削減)、Reuse(再利用)、Recycle(再資源化)という環境活動の3Rをたった一言で表せるだけでなく、かけがえのない地球資源に対する
Respect(尊敬の念)が込められている言葉として「もったいない」とされています。
お気に入りのものを大切に使い、再資源化できる商品を選び再利用されるように、資源を循環させていく…。
「MOTTAINAI」とモノの見方や生き方がシンプルになれば、物の価値を十分に生かしきれていないことや無駄になっていることに気づき、身の回りをもっときれいにしたくなるのが人の気持ちなのではないでしょうか。
ノームコアなファッションや女性でノーメイクな方がお洒落に見えるのは外見的要素だけでなく、内面的にその人自身が輝いているからだと思うのです。
日本はミニマムな生活をする感性を持った国なのですから、“禅の精神”を自分の心に宿すように、自分と大切な人の人生の成長を共に育めるように生きていきたいと思うのです。